カウンターカルチャーとは【簡単まとめ】音楽やファッションへの影響も
アートを語る時にカウンターカルチャーって言葉を耳にしたり、目にしますが、それは何なのだろう?
調べると色々出てくるけど、つまり、、、
- カウンターカルチャーって何?
- 概要を知りたけど、情報が散らばっててよくわからない
- 音楽やファッションにどんな影響を与えたの?
- ヒッピーのこと?
と言った疑問が湧いてきます。
この記事では、そんな疑問を10分で解決します。
本記事の内容
- カウンターカルチャーとは
- 音楽・ファッションに与えた影響
アーティスト向けWebアプリ「KIFF」を運営している僕が、まる1日かけて調べた内容を「ギュッ」とまとめましたので、ぜひご覧ください。
1. カウンターカルチャーとは
カウンターカルチャーとは大衆主義や商業主義、権威主義などのメインストリームに対抗する文化です。
“対抗文化”全般をカウンターカルチャーと言うので意味が広いですが、この記事では、多くの人がカウンターカルチャーを語る時に想像してると思われる、20世紀半ばのヒッピー文化についてまとめます。
ボヘミアン:15世紀〜19世紀
ヨーロッパでボヘミアンと呼ばれていた「自由奔放な生活を追求する人々」が、20世紀に盛り上がったカウンターカルチャーの源流と言われています。ボヘミアンという名前は15世紀にボヘミア地方(現在のチェコ)から来たジプシー(移動民族)が由来です。「非雇用で質素」「アルコール・ドラッグ・セックスに奔放」な雰囲気を指す、時にポジティブな、一方でネガティブな意味合いで使われた言葉が“ボヘミアン”です。確かにメインストリームの逆ですね。
画像:Photo by Minh Pham on Unsplash
ビート・ジェネレーション:1950年ころ
第二次世界大戦後にニューヨークで発生した文学者グループのビート・ジェネレーションは、既存の価値観を否定して、精神世界を追求し、西洋文化に東洋文化を融合していくことを目指します。経済至上主義を拒否し、目を背けてきた人間の醜くもリアルな部分を描写しました。これがアートや映画にも広まり、ムーブメントになっていきました。
ヒッピー:1960年ころ
ビート・ジェネレーションを引き継ぎ大きなムーブメントになったのがヒッピーカルチャー。それまでの西洋文化に対抗する形で、戦争や黒人差別への反対を強調し、インド思想や共産主義を取り入れていきました。野外フェスやフリーセックス、ドラッグと言った解放的な活動と快楽を追求することを好み、無料で食べ物や音楽、ドラッグを配る共同体を形成しながら自然回帰を目指しました。ヒッピー文化は北米から南米、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドに広まり歴史的なカウンターカルチャーになりました。ベトナム戦争の終結とともに兵役徴収が終わり、アメリカ建国200周年記念で愛国心が盛り上がる(1970年代半ば)まで続いたムーブメントです。
ヒューマン・ビーイン
ヒッピーの反ベトナム戦争の座り込みから始まったデモ。社会における人間性回復を求める集会となり、1967年のサンフランシスコには3万人のヒッピーが集まりました。
サマー・オブ・ラブ
1967年6月のサンフランシスコを起源として、世界中の各都市にヒッピーが集まり、音楽やドラッグ、アートや思想を持ち寄って共同生活するイベントが催されました。インターネットの無い時代にも関わらず、最大で10万人がサンフランシスコに集まったと言われています。
ウッドストック・フェスティバル
1969年のニューヨークで、「愛:Love」と「仲良く:Human Fellowship」を唱えるヒッピーが50万人以上集まったロックイベント。これを契機に各地でロックイベントが開催されるようになりました。
画像:Photo by Joël de Vriend on Unsplash
音楽・ファッションに与えた影響
音楽への影響
カウンターカルチャーの主張は、音楽と共に表現されることも多く、1960年代のムーブメントが音楽に与えた影響は大きいです。
ヒッピーの共同体は音楽と共に時間を過ごし、無料の野外フェスなども多数開催していました。上に記した、ヒューマン・ビーインやウッドストック・フェスティバルは大規模な野外フェスで、後のレイブカルチャーなどの野外イベントなどにも大きな影響を与えています。
「青少年の反乱」の象徴だったロックミュージックも1960年代のヒッピー文化の中で、最高潮を迎えています。特に、サイケデリック・ロックはLSDなどによる幻覚や極彩色の渦巻などを音楽に落とし込み、独特な浮遊感と超現実的な音作りを基調としています。ビートルズのリボルバーやイエロー・サブマリンがそのジャンルに属するものです。ヒッピー文化の中では、フォークソングも流行しました。
一方、ヒッピー文化が収束した後は、ヘヴィメタルやディスコ、パンクロックが新たなカルチャーとして流行していきました。
ファッションへの影響
ヒッピーは、スーツや正装といった規範的な服装に対抗する形で、原始的なものを好み、髭や髪の毛を伸ばし裸足で歩くスタイルが流行しました。男女の差もなくすためにユニセックスな服を選ぶようになり、ベルボトムのジーンズや、ベストなどを身につけていました。先住民のカルチャーも取り入れ、手作りアクセサリー、染め物のバンダナも好まれていました。スティーブ・ジョブスも当時はヒッピーで裸足で生活していたらしいです。
現在の男性の長髪・髭スタイルや、古着、民族的な服装はこの時代のヒッピーが醸成したジャンルであり、その後のファッションの選択肢を増やしたと言えると思います。
ヒッピー文化が収束すると、モッズやスキンヘッド、パンクやゴシックなど、全く異なるスタイルが(大きくなりすぎたヒッピーへのカウンターカルチャーとして)流行しました。
まとめ
駆け足で、20世紀のカウンターカルチャーについて語ってきたましたが、詳細が気になる方はもっと深く調べてみてください。
アーティスト活動自体が、大衆に対して自分を表現するものであるという点では、カウンターカルチャーといえます。この点を強くメッセージにするのは大切かもしれません。
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最後まで読んでくださってありがとうございました!
参考:
– ボヘミアニズム (2021年4月2日 (金) 22:44 時点)
– ビート・ジェネレーション(2021年3月16日 (火) 09:05 時点)
– ヒッピー(2021年6月8日 (火) 16:44 時点)
– ヒューマン・ビーイン(2020年10月30日 (金) 13:01 時点)
– サマー・オブ・ラブ(2017年9月12日 (火) 02:57 時点)
– サイケデリック(2020年11月12日 (木) 17:47 時点)